土砂降りの雨の中、強面のタクシー運転手と仲良くなった
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前回、新しい扉を開きかけた話はこちらから
土砂降りの雨と雷の中、小柄なマッサージ師の兄ちゃんにタクシーを捕まえるようお願いして待つこと15分。
ようやく、帰宅ラッシュの大渋滞の中からタクシーを止めてきてくれて自分は濡れながらも傘を差してタクシーに乗り込むまで送ってくれた。
ありがとう
心からそう思ってチップをあげたのは初めてでした。
いつもなら
サービス料?なんで雇用主が給与として払うべきものを消費者が追加で金払わねばいけんのだ!
と思っていたけれど、今回ばかりは話が違った。
あげたのは20ペソだけだけど…
タクシー運転手も土砂降り&帰宅ラッシュ時間&困ってそうな外国人ということでメーターを回さずに200ペソだ!と強気な提案をしてきたけれど、たった600円でホテルまでちゃんと帰ってくれるならと二つ返事で取引成立した。
ここで一つ、僕のマニラの父ことタクおじとの約束を一つ破ってしまったことに気づく。
タクおじの忠告はこちら
マッサージ屋の人が止めてくれたとはいえ、流しのタクシーに乗ってしまったのだ。
そしてバックミラー越しに見える運転手の顔は結構怖い。
いつ、ダッシュボードから拳銃が出てきてもおかしくないような顔つきだ。手持ちは3000ペソ。
うーむ、たぶん渡せば命は助けてくれるだろうなあ…
と思いながら道を走っていると巨大な水たまりの中で人が車を押しているのを目撃しつい
「oh… disaster」とひとり言を言ってしまった。
その言葉にタクシー運転手の顔が光る。
強面「hahaha あれはついてないな!見ろよあれはヒュンダイの車だ。ヒュンダイは水たまりに弱いからマニラじゃ全然ダメだ!お前は日本人か?」
K「そうだよ。」
強面「やっぱりそうか。見ろよこの車はトヨタだ!トヨタの車であんな水たまりでやられてる車見たことないぞ!やっぱ車はトヨタが一番だ。お前は車持ってんのか?」
K「僕は持ってないけど親はVWに乗ってるよ」
強面「どうしてだ!なんでトヨタじゃないんだ!VWもこの国ではたまに見るけど関税が高いから乗ってるのは金持ちくらいだぞ。すぐ壊れるけどな!hahaha」
K「そうなんだー。東京では車必要ないよ。バスは安全だし電車があちこち通ってるから車がなくても便利だよ」(この人顔怖いけどいい人なのかも…)
強面「そうなのか。見ろよこのマニラの渋滞。電車は少ないしジープニーは危ないからみんな車持ってるんだけど道路ができてないから渋滞だらけだ!政府は1世帯あたりの台数制限するべきだよ」
K「たしかにねーバンコクもKLも渋滞がすごかったよ」
強面「まったくだ事故でも起きたらもう帰れなくなっちまうよhahaha お、見えてきた。あのホテルでいいんだよな?」
K「ありがとう。助かったよ」
普通にいい人だった。本当に助かった…
マニラで初めて流しぽいタクシーに乗りました。例え狙われていたとしてもフレンドリーに接していれば相手の良心に問いかけて犯罪にあう確立は減るんじゃないかなと思ったそんな体験でした。